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共依存の関係

共依存とは?

共依存とは

自己否定感や相手に
見捨てられる不安などが
人間関係や行動に
影響を与えている状態を言います。

共依存になる原因には
何らかの問題を抱えて

心理的に不安定な
身近な人(家族、配偶者、恋人)の
存在があります。

親の過度な干渉や無関心
パートナーのDVやモラハラなども
心に問題を抱えているケースの一例になります。

常に怒りや悲しみ
不安に振り回されている身近な人と
接するうちに

自分も感情や行動に
大きな影響を受けてしまいます。

身近な人となんとかうまくやろうと
努力した結果
本来の健康な自分をなくしてしまうのが
共依存ということができます。

共依存の背景には
大きな不安にさらされた
経験への適応があります。

たとえ家庭に
問題を抱えた人がいなくとも

子どもが健康に成長する大切な要素が
欠けた環境で育つと
成長してから
共依存の課題を抱えることもあります。

子どもの頃の親子関係が
原因となったものを一次共依存
配偶者や恋人などが
原因のものは二次共依存と言うことがあります。

身近な人を理解し
関係をうまくいかせようとして
彼らと同じような心理状態に陥ってしまい

結果として問題を抱えた人に似た
不健全な生き方に
なってしまうことがあるのです。

恋愛における共依存「共依存恋愛」とは?

共依存は家族や友人など
さまざまな関係で発生しますが

恋人同士や夫婦にも起こり得ます。

共依存症者の恋愛には
下記のような特徴があります。


自分に欠けているものを恋愛対象で埋めようとする
自己肯定感が低いために、常に見捨てられる不安が大きい
相手にしがみつく
ささいなことを重大なことと受け止め、大きく反応してしまう
相手のために自分を犠牲にしてでも尽くしてしまう
相手が自分を幸せにする唯一の人間(救済者)だと思い、過度の期待をする
相手を失ったら、もう自分は生きていけないのではないか、とすら思ってしまう


共依存症者の恋愛では
相手が不幸な自分を幸せにしてくれる人
救済してくれる人と感じてしまいます。

相手の価値観に従わないと
救済者を失ってしまうと思い
常に相手の顔色をうかがい
その言動に振り回されることになります。

相手を失ったら
自分の世界も終わってしまうような
不安定な世界に
生きる感覚を持ってしまうんですね

共依存になってしまう原因は?

では共依存症になってしまうのは
なぜでしょうか。

そこには
家族や身近な存在
子どもの頃の環境が深く関係しています。

家族に何らかの問題を抱えた人がいる

前述のように
身近な家族に何らかの問題を抱え
常に心理的に不安定な人がいる場合
子どもや配偶者が共依存症になることがあります。

子どもの成長に必要な環境が十分でなかった

食べ物、衣服、住まい、医療など
生存のために欠かせない環境が
十分でなかったとき

感じていた大きな不安が
原因となることがあります。

無条件の愛が得られなかった

子ども時代に
養育者(親とは限りません)に
無条件に愛された経験がないと
共依存症になることがあります。

無条件の愛とは
男の子であれ女の子であれ
学校の成績が良かろうが悪かろうが
関係なく愛されることです。

間違ったことをして叱られても
それとは関係なく愛している
というメッセージがもらえることです

家庭の中に、本来あるべき安心感がなかった

庭では食事、テレビを見る、
話す、お風呂、寝る、触れ合うなど、
さまざまなことが行われます。

何気ない日常に見えますが
こうしたことは家庭に
安心感がなければできません。

子どもの頃、育った家庭の中に
安心感がなかった場合

長期間にわたって
直面していた不安が
共依存症を引き起こすことがあります。

家族の中に、社会人として健全なロールモデルがいない

人生を真面目に生きようとする
健全なモデルが家族にいない場合です。

問題から逃げたり
反社会的な言動をしたりする家族の下では
確固たる価値観を築きにくくなります。

家庭では自由に意見を言えなかった

強い人が家族を支配し
家族一人一人が尊重されず
自由に意見を言えないような
家庭で育つ子どもは

自己肯定感や自己効力感が育ちにくく
共依存症になりがちです。

共依存カップルの特徴

共依存カップルは
恋愛依存症と回避依存症が
ベースになっています。

恋愛依存症は
恋愛感情を持っている相手が
いるときに充実感を感じ

恋愛をしていないと
空虚で満たされないタイプです。

回避依存症とは
他人と深い人間関係を
築くことが苦手で

相手を愛していても
縛られる息苦しさで
自分の方から離れてしまうタイプです。

共依存カップルには
大きく分けて下記の3つがあります。
それぞれの特徴を見てみましょう。

恋愛依存症者同士の恋愛関係

いつも一緒、何でも一緒。
ふたりの関係の中には
誰も入れようとはしません。
密着型の恋愛関係です。

このふたりの場合
密着して相手を束縛するので
お互いの交友関係がおろそかになり
孤立することがあります。

互いに見捨てられ不安が
強くあるため
ケンカをすると過剰な反応をしてしまい
暴言や暴力に発展してしまうこともあります。

ふたりだけの世界で
満足してしまうため

病や事故などで相手を急に失うと
後の人生が孤独と絶望感に
満ちてしまうという特徴があります。

回避依存症者と恋愛依存症者との恋愛関係

密着すると息苦しくなる人と
恋愛にのめり込む人の関係です。

恋愛依存症者はいつでも
べったりしていたい傾向にあります。

付き合っているうちに
回避依存症者は密着した関係に
息苦しさを感じ、逃げてしまいます。

すると恋愛依存症者は
必死で相手を追い掛けます。

回避依存症者は
逃げてすっきりしていると思いきや
逃げた先で相手のことが
気になってしまいます。

縛られるのは嫌でも
寂しいのも嫌というのが
回避依存症者といえるでしょう。

そこでよりを戻しても
また息苦しくなり逃げてしまう……
それを繰り返す特徴があります。

回避依存症者同士の恋愛関係

付かず離れず
時々会って関係を持ち
また離れては時々会うという関係です。

それぞれ別の場所に
別な相手との恋愛関係を
持っていることもあります。

ドライで割り切った
大人の関係に見えますが
当人同士は孤独から
逃れられるわけではなく

常に寂しさを抱えているという
特徴があります。

まとめ

3つのうちどのタイプであっても
共依存に陥っている恋愛では
幸福よりも不安を感じるときの方が
多いのではないでしょうか。

長く続く信頼関係では
お互いの存在や価値観を尊重し
どんなときもお互いをサポートし合うものです。

一緒にいない時間があっても
信頼関係があれば不安になることは
少ないでしょう。

お互いのエネルギーを奪い合う
共依存の恋愛から脱することで
ふたりの関係はより
深く安定したものになっていくかもしれません。

共依存恋愛を克服するには?

では共依存恋愛を克服するには
どうしたらよいのでしょうか。

それには自分自身を客観的に見つめ
子どもの頃に
ふたをしてしまった感情を

再確認することが
第一歩となります。

自分の生い立ちを振り返る

子どもの頃に感じていたことを通して
自分の生い立ちを振り返ってみましょう。

両親、きょうだい、家、学校などが
どうだったか、どう感じていたか。

頭の中で確認するだけでなく
家族や家庭環境など

子どもの頃のことを
ノートに書き出してみると
なおよいでしょう。

自分の生い立ちの中で何があり、何がなかったのか確認する

子どもが健全に育つためには
食べ物、衣服、住まい、医療のほかに

安心を感じる家庭環境や無条件の愛
健全な価値観を教えられること
家族間の互いの尊重などが必要です。

自分には何があり
何がなかったのかを客観的に
確認してみましょう。

小さい頃、不安や悲しさで
なかったことにしていた
「喪失感」を確認することで
共依存になった背景が見えてくるかもしれません。

同じような成育歴を持つ仲間とつながる

共依存に悩む人たちの間には
さまざまな問題を抱えた人が
自主的に集まる、自助グループがあります。

ほかの人には
話しにくい家族の問題でも
同じような体験をした人には
共感してもらえることが多いでしょう。

自分だけではないという実感は
共依存を克服する力になります

現実をしっかり見つめ、現実を生きる

恋愛関係に夢や理想を
求めすぎるのではなく
現実性(reality)をしっかり見つめて
現実を生きましょう。

時々少し立ち止まって
お互いの人間性や抱えている事情を
客観的に見直してみましょう。

相手と自分の現実をしっかりつかんだ上で
人生の中で恋愛とは

何かを考えることが
共依存ではないお互いを尊重し
成長し合える健全な恋愛関係につながります。



誰しも多かれ少なかれ
子どもの頃に家族や学校などの中で
寂しさを感じた思い出があると思います。

普段ふたをしているそうした心の傷が
恋愛関係など
直面している問題の原因に
なっている可能性もあります。

大人になった今
寂しかった子どもの頃の自分を認めることが
共依存の悩みを解決する
第一歩になります。