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恋愛依存の原因である「不安」を知る

見捨てられ不安

「見捨てられ不安」とは、「信頼する人が離れていくことへの強い不安」です。
恋人をいつもそばに感じていないと不安でいっぱいになる。

このように、信頼している人との間に少し距離を感じると

見捨てられてしまったような気持ちになって

不安でいてもたってもいられない気持ちになることを
「見捨てられ不安」といいます!

たとえば
恋人に頻繁にメッセージを送り
すぐに返信をくれないことに
「見捨てられたのかも」と強く心配してしまう。

相手を失うのが怖くてたまらないため
相手の言いなりになって
いつも従ってしまう。

少しでも批判をされたりすると、
信頼関係が裏切られたような気持ちになり
深く傷ついてしまう。

「見捨てられ不安」が
強いと上のような考え方に
とらわれてしまうことがあり、

人間関係の難しさを感じることが
少なくありません。

見捨てられ不安の原因

見捨てられ不安の原因……幼いころから続いている「思いぐせ」

では「見捨てられ不安」は
なぜ生じるのでしょう?

見捨てられ不安は幼いころに
親など親しい大人との関係のなかで
生じた不安から起きる
「思いぐせ」だといわれています。

人は成長するにつれて一人で
過ごす時間が増えていきますが
こうしたときに
過剰に不安にならないのは

情緒が育っていく子どものころに
そばにいてくれた
親しい大人との関係のなかで
培われた安定感だと考えられています。

赤ちゃんは
泣いたときに抱っこしてもらえたり

やさしい声をかけて
世話をしてもらえることで
安心感を得ます。

また、歩き始めた子どもは
自分の行動を見守ってもらえることで
安心して外の世界に
足を伸ばしていくことができます。

かんしゃくを起こした子は
苛立ちを受け止めてもらえることで
「素直な感情を出しても大丈夫なんだ」
と感じます。

集団の中にいる子は
安心して過ごせる
家庭などの場があることによって

外の世界でも
勇気を出して活動することができます。

「失いたくない」という不安

「失いたくない」という不安から、相手を束縛してしまうこともあります。

「私の大切な人は
離れていてもいつも自分を見守っていてくれる。
だから、私は一人でいても大丈夫なんだ」

という安心感を持つことが
自立的に成長していくためには必要です。

しかし
その思いを持てないまま成長すると

大切な人との関係を築いても
「この人にいずれ見捨てられるのではないか」

という不安が心のどこかに
つきまとってしまいます。

すると、たとえば好きな人ができたときに
「見捨てられたくない」という不安が先行し
相手を失うことを
過剰に恐れてしまうことがあります。

その気持ちのまま相手を束縛すると
相手は交際を負担に感じてしまいます。

それでは、見捨てられ不安は
どのようにしたら克服できるのでしょう?

大切なのは、自分の考え方や行動を
見つめ直してみることです。

ここでは
お勧めしたい3つの対処方法をお知らせします。

見捨てられ不安への対処①

一つ目は
不安の背景を知ることです。

前述したとおり
見捨てられ不安は
幼いころから続いていることが
多いと言われています。

幼いころの自分を振り返ってみましょう。

つらかったとき
大切な大人にどのように接してほしかったですか?
どのような言葉をかけてほしかったですか?

まずは、自分の不安な気持ちが
どこから来ているのか

不安を解消するために
どんなかかわりを求めていたのか
じっくりと自分の気持ちを見つめてみましょう。


見捨てられ不安への対処②

二つ目は
不安との折り合いをつけることです。

見捨てられ不安が強いと
「不安な気持ちを今すぐに解消したい」
という衝動が高まります。

そのため、友だちや恋人に
「今すぐに不安を受け止めてほしい」
という気持ちになります。

その気持ちのままに
衝動的な行動を繰り返してしまうと
相手は振り回されて
関係が悪化してしまいます。


では、不安な気持ちが高まったときには、
どうしたらいいのでしょう?

次の「5つのポイント」を行ってみましょう。

1. 他のことに目を向けて、不安をやりすごしてみる
2. 衝動的に行動せず、しばらくの間、不安な気持ちを抱えてみる
3. 「今週は○曜日に1時間話をしよう」など、あらかじめ会話の日時を設定する
4. 「話し足りない」と思っても、時間が来たら会話を終える
5. 「今すぐ会いたい!」と思っても、約束の日までがまんする

以上のことを続けていくと、
見捨てられ不安と上手に付き合っていくことができます。

見捨てられ不安への対処③

三つ目は
自分のなかに潜む「子どもの私」を安心させる

見捨てられ不安は
心の中に残っている
「子どもの私」が感じ続けている
不安だと言われています。

つまり、子どものころに強く感じた

「見捨てないで!」
「私だけを見て!」
「私を置いていかないで!」

といった不安な気持ちが
大人になっても解消されずに
心のなかに残っていると考えられているのです。

見捨てられ不安を感じたら
「この不安は『子どもの私』が
感じている不安なのかもしれない」
と自分の気持ちを振り返ってみましょう。

そして
「心配しなくても大丈夫だよ」
「さびしかったんだね。でも、心配いらないよ」
というように

自分自身で「子どもの私」に
語りかけて安心させてあげるといいでしょう。

そして
上の項の「5つのポイント」で
お伝えした不安との折り合いをつける方法で
不安な気持ちに上手に対処することができたら

「つらかったのに、よくがまんできたね」と
「子どもの私」をほめてあげましょう。